2005年10月17日

バヌアツとサントメ・プリンシペ3

シニア海外協力隊のお医者さんのお話を伺う機会がありました。この方はアフリカへ行くことの多いお医者さんですが、なんと、バヌアツにも行ったことがあるのです。

表題のサントメ・プリンシペはアフリカの国です。アフリカ西部の正に赤道直下のギニア湾内に浮かぶ、バヌアツと似たような火山島の島国です。

日本の医療補助は、最新の医療機器を提供し、その使用方法を現地の医師に教えるというものです。単に薬品を提供するだけでは何の進歩もないし、かといって医師が常駐するにはお金もかかる、というわけで、こういう医療の技術協力はその国の進歩発展のために非常に良い事です。

しかし、件のお医者さんは「バヌアツはダメだ」と言います。何がダメなのかというと、

「なにしろ学ぼうという意欲がない。周りの白人の顔色ばかり気にして自分は座っていればいいと思っている」というのです。これに対し、サントメ・プリンシペの医師は「これはどうなんだ?この機器の使い方は?」と、せっつかれるほど意欲的だったそうです。

バヌアツの政庁には真っ黒なバヌアツ人に混じって、白人もいます。オーストラリアやニュージーランドから来たアドバイザーですが、これが結構大層な権限を持っています。植民地の名残が残っているといっても、それはアフリカも同じです。いや、アフリカの方が収奪は深刻だったでしょう。

どうもこのお医者さんの慨嘆はその辺だと思います。オセアニアの島々は、欧米の過酷な収奪を受けていないのです。ジャングルは「緑の砂漠」ですし、(攻めていった日本軍は大勢餓死した)資源らしいものもニューカレドニアやナウルを除いて無に等しいのです。だから収奪されず、自分の暮らしを守ってきたので、ハングリー精神に乏しいのでしょう。

アフリカは餓死のイメージが付きまといますが、バヌアツは全然なしです。また、エイズやエボラ出血熱などの深刻な感染症も聞いたことがありません。閉鎖的な自給自足の島の社会構造が意外にも社会問題を引き起こさない原因になっているのです。

それはそれで文化といえば文化で、バヌアツの人は「文明」なぞ移植されなくても十分幸せなのです。考えさせられますね。文明の是か非かに付いて。

issikikyurokusiki at 08:29│Comments(0)TrackBack(0)南の島 

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